遺言の種類

遺言には、普通方式の遺言が3種類、特別方式の遺言が4種類の、合計7種類の方式があります。もっとも実際に作成されるのは、普通方式の遺言のうち自筆証書遺言公正証書遺言が圧倒的に多数です。そこで、この二つの遺言について詳しく説明します。

自筆証書遺言とは?

自筆証書遺言は、遺言者が遺言の全文をすべて自分自身で書き、作成した日付を記載し、署名・押印することで作成する方法です。

遺言者が自分で遺言を書くことから、大きな手間がかからず、費用も低廉で、かつ迅速に遺言を作成するというメリットがあります。

一方でデメリットもあります。簡便に作成できるということは裏を返せば偽造・変造も容易にできるということですし、遺言の表現・記載方法が適切でなく遺言が無効になってしまう可能性があります。また、作成した遺言をどのように保管しておくのかという問題もあります。

公正証書遺言とは?

公正証書遺言は、遺言者が公証役場に行き、公証人に遺言の内容を口授し、それを公証人が確認して公正証書として遺言を作成する方法です。

公証人という専門家が関与するので、偽造・変造の可能性が極めて低く、また、適切な遺言の文言で書かれるため、遺言の執行段階で問題が生じることも少ないです。他方で、公証役場に行く手間や公証人に対する費用が発生するというデメリットもあります。

メリットとデメリットのまとめ

  自筆証書遺言 公正証書遺言
メリット
  • 自分で書くので、書きたいときにすぐ書け、手間や費用がかからない
  • 遺言が無効、執行不能という事態になる可能性が低い
  • 偽造、変造が困難
  • 公証役場で保管
デメリット
  • 偽造・変造が容易
  • 記載方法によっては、遺言が無効になってしまう
  • 保管の問題
  • 公証役場に出向く必要があるので、手間や費用がかかる

自筆証書遺言と公正証書遺言のメリットとデメリットは表裏一体の関係になります。遺言を作成するにあたっては、両者のメリットとデメリットを比較して、どの遺言方法にするか選択すべきです。もっとも、遺言は自分の意思を死後に残す重要な役目を持っていますから、手間や費用を惜しまない方がよいでしょう。遺言の効力に疑いが生じにくい「公正証書遺言」を選択することをおすすめします。

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